記憶の片隅の
何か複雑な感情を抱いた。
その日に変わっていた彼氏のLINEのアイコンを直感的にではあるが「ださい」と感じてしまったからなのか
会ったときの彼氏の服装がトップスが黒の長袖で、紺のズボンで、白のスニーカー、おまけに紺のリュックという何とも言えない組み合わせだったからなのか
ちょうど会う前に男友達と城崎温泉へ旅行しに出かけた話で男友達が彼氏のことを「人に対して毒を吐くが、人柄がよいのでなんとか保っている」と話していたらしく、かなり本質的なことだと大いに頷いてしまって、彼氏は誰にでもこういう感じなのだと悟ってしまったからなのか
付き合い始めてお互いが構築してきた、感じ取る雰囲気だったりノリ
あの時はこうだったよね、なんて思い出話で盛り上がる話だったり
ある意味の新鮮味もなくマンネリ化されたお互いのコミュニケーション
いつも通り彼氏は私に対して尋ねてくる
「○○っていうのどういう風に考えてる?」
だいたい私の意見だったり、解決策を求めている。
話題は私が引きずり込ませてようなある種の洗脳のような資産形成の話がほとんどで
**がああ言ってたからさ~と私が見るよう勧めた配信者の名前を出して
その人の言う通りに動いてしまっているように感じる。
自分の意思はないような
私が聞かれたとき、パッとその時に感じたことや指針についてつらつらと述べる。
「じゃあ、あなたはどう思う」
そういう議論をするのは大好きだけど、そういう風に聞いて
花が咲くような議論に持ち込まれたことはない
「キミの話す通りだと思う」
中身がなくて薄っぺらい。まあいつものことなんだけど。
晩御飯を食べるためにたまたま訪れたお店の隣の席にカップルがいた。
カップルなんていつもいるし、いつもだったら気にも留めないんだけど
その時は違った。
ちょうど私たちが日ごろ話しているような資産運用・投資の話をしていたから。
彼氏が彼女に対してつみたてNISAについて分かりやすく説明していた。
私たちはお互い話すのをやめて聞く耳を立てて隣の席のカップルの話を聞いていた。
彼氏と彼女とのやり取りからお互い賢いんだろうなと感じた。
知識がない彼女に対して、彼氏がとても分かりやすく言語化して説明する姿。
そのカップルの関係性のようなものを客観的に見つめてて
心の中に何とも言えない感情がどんどん大きくなってきた。
とても分かりやすく説明する彼氏の姿は昔付き合っていた京大生の恋人と似ていたし、
隣のカップルの彼氏が彼女に対して教えてあげるという姿が
私たちのカップルではまずありえないことだな、と思ってしまって、その場で立ち尽くしてしまうような感覚に陥った。
そういう彼氏から教えてもらうような関係性をいいなと思ってしまった
カップルでも関係性の理想とは何なのだろうか。
お互いを高め合う関係?友達のように仲良い関係?
私にとって恋人はどのような立ち位置でいたほうがいいのだろうか。
前々から感じていたけれど
今回改めて踏みとどまってしまった。